顕微鏡写真の撮影方法

How to take pictures with a microscope and digital camera.

ここでは顕微鏡とデジタル一眼レフを使用していますが、基本はカメラのレンズを接眼レンズに当てる、いわゆるコリメート法を使用しているので、コンパクトデジカメでも応用可能です。

 

使用機材 (光学顕微鏡、実体顕微鏡)

・Canon EOS 60D (デジタル一眼レフ)

・Carton VSL M-933 (光学顕微鏡)

・マイクロネット ズン太2(実体顕微鏡)

・ズン太用接眼レンズ(x20)、対物レンズ(x2)

・MCO  USL-01 (USB LEDライト)

・ステップダウンリング 58-37mm, 37-28mm (Φ23.2mm径用) 、37-34mm(Φ30mm径用)

・Canon用リモートスイッチ

・クリップ付スタンドルーペ

・トレーシングペーパー(または薬包紙)、厚紙、クリップなど

概要

簡単にいえば、接眼レンズにステップダウンリング2枚を嵌めこみ、そこに一眼レフを付けて撮影する、という、ただそれだけの撮影装置です(右)。ちなみに使用した光学顕微鏡の接眼レンズは、スリーブ径 Φ23.2mmのため、28mm径のステップダウンリングを採用。Φ30mmの場合はそれより大きいリングが必要。参考までに、マイクロネット社の実体顕微鏡ではΦ30mmの接眼レンズのため、34mm径のステップリングが使用できます。なおステップダウンリングは、そのままでは径が狭すぎるため、中をヤスリで削っていますので、もう二度と普通のステップダウンリングとしては使えません。

 

撮影にあたっては、手ブレが起こらないようリモートスイッチを使用してシャッターを切っています。また実体顕微鏡では針刺し標本でも観察出来ますが、光学顕微鏡の場合はプレパラート標本、または針を外して観察します。ここでは、三角紙標本を載せるカードと、台紙に貼った標本を観察するためのクリップスタンド使用法を紹介していますが、簡易的に観察する方法なので、それぞれ改良を加えてみてください。

 

光学顕微鏡編

内側を削ったステップダウンリング
内側を削ったステップダウンリング
接眼レンズに取り付けた状態
接眼レンズに取り付けた状態
ライトにはトレーシングペーパーを貼り、光を和らげる
ライトにはトレーシングペーパーを貼り、光を和らげる
観察用カード。薬包紙と厚紙で作成。位置の調整に便利
観察用カード。薬包紙と厚紙で作成。位置の調整に便利
台紙標本はクリップスタンドで観察。これは改良が必要
台紙標本はクリップスタンドで観察。これは改良が必要
撮影例。60x。Gymnopternus sp. (アシナガバエ科)
撮影例。60x。Gymnopternus sp. (アシナガバエ科)
x150。上に同じ。
x150。上に同じ。

実体顕微鏡編

実体顕微鏡の場合でも、同じように鏡筒にステップダウンリングを通す。
実体顕微鏡の場合でも、同じように鏡筒にステップダウンリングを通す。
カメラ側にもステップダウンリングを装着。ここでは58-37mm (カメラ側)、37-34mm (顕微鏡側)とした。37mmはRAYNOXのマクロレンズの多くと互換性があるため、それを流用している。
カメラ側にもステップダウンリングを装着。ここでは58-37mm (カメラ側)、37-34mm (顕微鏡側)とした。37mmはRAYNOXのマクロレンズの多くと互換性があるため、それを流用している。
ステップダウンリング同士を接続すれば、軽めのカメラであれば三脚なしでも比較的安定する。バックモニタがあるカメラなら、そのまま観察画面として使用することも可能。
ステップダウンリング同士を接続すれば、軽めのカメラであれば三脚なしでも比較的安定する。バックモニタがあるカメラなら、そのまま観察画面として使用することも可能。
撮影例。Dolichocephala sp. (オドリバエ科)。Φ30mm径の顕微鏡に対して50mm程度のレンズであれば、四隅のケラレはほとんど出ない。体長3mm弱。
撮影例。Dolichocephala sp. (オドリバエ科)。Φ30mm径の顕微鏡に対して50mm程度のレンズであれば、四隅のケラレはほとんど出ない。体長3mm弱。
深度合成、露光調整後の画像。小さい被写体では全体にピントが合わないため、ピントの範囲を変えて撮影した写真を合成することで、隅々までピントの合った写真が手に入る。
深度合成、露光調整後の画像。小さい被写体では全体にピントが合わないため、ピントの範囲を変えて撮影した写真を合成することで、隅々までピントの合った写真が手に入る。